尾澤歯科医院 院長の野村です。
インプラント周囲炎のお話をします。
インプラント周囲炎とは、インプラントの歯周病です。
インプラントの天然歯と同様、歯周炎をおこします。
「インプラントは人工物だから歯槽膿漏にはならないと思っていた」などという話を患者様より時々耳にします。
私は、インプラントは天然歯同様に考えていただくようにしています。
インプラント周囲炎は歯周炎と比べて治りにくいのが特徴です。
天然歯は、歯根膜に囲まれています。血管や靭帯の走行があり、治療をすれば治りやすい環境にあります。
インプラントは骨に囲まれていて、歯根膜のような組織はありません。また、血管の走行も天然歯にくらべて少なく、ばい菌に対する抵抗性に劣ります。
したがって、天然歯同様かそれ以上のケアが必要になると言えるかもしれません。
ではインプラント周囲炎になってしまったらどうやって治療するのでしょうか?
① まず第一にプラークコントロールです。
プラーク(細菌のかたまり)がインプラント周囲に付着していては炎症が治まりません。
②浅い歯周ポケット(4mmくらいまで)の場合、ポケットを洗浄します。
③深いポケットの場合や、炎症が治まらない場合は、歯周外科を行います。
麻酔下にて切開し、悪い部分を取り除きます。場合により、インプラント表面をブラスト(粉をふきかけて新しい面を出す)します。縫合して経過を見ます。
④外科にて治らない場合は、インプラントを抜去することをお勧めする場合があります。
インプラントの種類(メーカー)により、インプラントの表面性状は異なるため、治療内容が異なることがあります。
インプラント周囲炎にならないために。
正しい診査、診断のもと、インプラント手術を行うことが重要です。
患者様の手入れも大切ですが、医原性のものがあるのが現状です。
自費治療のため、価格差がありますが、安いものに飛びつくのは危険かもしれません。
銀座のレーシック手術の例もありますので、良くお考えの上、信頼出来る専門医に手術をしてもらいましょう。
2011年12月21日