クラック トゥース シンドローム

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

The Cracked Tooth Syndromeのお話です。

歯の不完全破折の結果としておこる症状の総称です。

歯にひびが入って咬むと痛かったり温度変化に過敏になったり、

マイルドな刺激(甘いものや酸性の食べ物)による知覚過敏を臨床症状として認めます。

Leica Picture

この歯の横方向に赤い線を認めます。

歯髄反応が無い(歯髄が壊死している)ため、根管治療をしようとして歯を削合していたところ、破折に気がつきました。

赤く染色してみたところ、はっきりとした線が認められ、クラックによる感染が原因で歯髄(歯の神経)が壊死したと診断しました。

通常はこのようなクラックを肉眼で確認することは困難です。

マイクロスコープによる確認作業で発見されることが多くあります。

レントゲンはほとんど有効ではありませんので、見落としやすい疾患です。

早期発見により歯を残すことが出来ます。

しかし放置すると破折が広がり、細菌感染により抜歯を選択しなければなりません。

大学での教育で、このような診断名を教わらないために、わからずに放置されることが多いようです。

早期発見、早期治療が大事です。

 

投稿日: by nomura

カテゴリ:かみ合わせ, 歯内療法