東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です
歯のつめもの(充填剤)である「アマルガム」のお話
当院ではアマルガム充填の除去を積極的に勧めています。
アマルガムは水銀とほかの金属との合金です。現在はアマルガム充填を施行している歯科医院はごく少数ですが、治療の簡便性から多くの歯科医院で行われました。
アマルガムには接着力が無く、緊密に充填することで維持をさせている状態です。
多相合金であることから、Hg(水銀)とイオン化傾向の差が大きい金属を用いることで、耐食性が悪い。高銅型アマルガムは従来型より耐食性は改善しているが、腐食、溶解しないわけではありません。
気になる毒性であるが、水銀を約50%も含んでいるアマルガムの毒性を無視出来ません。合金として安定しているが、咬合により摩耗し体内に蓄積する、加熱により遊離することが考えられます。
Hgの極量は100γ/日(1γ=1,000mg)であり人体に影響する量ではないが、人体に有害な物質であることに変わりはありません。
尾澤歯科医院におけるアマルガム除去例
上顎第臼歯にアマルガムが充填されています。必ずラバーダム防湿を行い、切削した時に削片を飲み込まないようにすることが大事です。
アマルガムを削除した写真。切削量を少なくし、歯質を出来るだけ保存します。
CR(コンポジットレジン)を充填したところ。歯質とCRの接着に十分な配慮をし、緊密に充填することが大事です。
一般的にはコンポジットレジン充填やセラミックスインレーによる充填を行います。
アマルガムは人体に有害なだけでなく、接着性が無いために歯に対する力学的な負担を増大します。場合により歯質の破折を招き、抜歯を余儀なくされる場合があるため注意が必要です。
2017年4月23日