Author Archives: nomura

歯を抜くか 歯を残して治療するか?

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

出来るだけご自身の歯を多く残す事を最優先としています。

しかし、治療の限界がありますので、残すことで健康を害してしまう場合は抜歯することをお勧めしています。

それでも残してほしいという訴えがある場合。

これは治療とは言えません。

説明してもわかっていただけない場合はそのまま放置します。治療はしません。

我々には歯を残す基準があります。

・残すことで何らかのメリットがある場合。

・かぶせ物やつめものにより、きちんと咬むことができること。

・かぶせ物をした場合、壊れたりせず、永くもつ見込みがあること。

これらをすべて満たさない場合は抜歯をお勧めしています。

歯がむし歯でボロボロの場合、

むし歯を除去したら歯の根っこ(歯根)しか残らない場合があります。

マイクロスコープにより根管治療を精密におこなうことで、歯の根っこは残せたとします。

このような場合、残念ながら頑丈なかぶせ物は不可能です。

歯根に支柱を立ててからかぶせ物をしますが、

咬合力などの大きな力が加わると、歯根が破折してしまうことがよくあります。

歯の根元から歯質が最低2mmあると強度的には大丈夫と言われています。

歯根は残せても、抜歯したほうが良い場合もあるわけです。

残っている歯の本数や、その歯がどれくらいの負荷を受けるかによっても違ってきますので、

総合的な判断が必要になってきます。

 

 

 

 

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歯周病で認知症悪化

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

歯周病菌と心疾患、糖尿病との関連は認知されていますが、

認知症と歯周病との関係はこれまで研究されていませんでした。

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平成25年6月2日 日経新聞の記事です。

歯周病を有する認知症のマウスは優位に実験での反応に劣るとの結果でした。

大変興味深い内容です。もし人に対しても当てはまるとすると、

認知症患者への口腔ケアの意識が変化していくでしょう。

この論文を読んでいませんが、歯周病と言っても様々な細菌の複合感染症ですし、歯周病の程度も様々です。

何か特定の細菌が関連しているのかどうか、更なる研究を期待します。

 

 

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歯根破折その2

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

歯内療法の診断は、様々な角度より診査をし、総合的に診断をします。

通常のレントゲン写真は重要な診査の1つであるが、これだけでは診断は不可能です。

総合的に診査をしても不明なため、診断の為に切開をする場合があります。

その1例です。

根尖部より排膿を繰り返しているが、原因が分からないため切開をしました。

Leica Picture

マイクロスコープにて撮影しています。

この症例では、大きな嚢胞を形成していましたが、その原因として歯根破折が挙げられます。

根尖から根管充填材が露出しています。これも感染源となっています。

長年にわたる炎症によるものでしょうか?歯根の異常な肥大を認めます。

分割してようやく抜歯をしました。

治療をすることは、その字の如く治す事です。

しかし、残念ながら治そうと試みても出来ないこともあるのが現実なのです。

治療をしようとしていたのに、結果的に抜歯となることもあります。

正しい診断をするために、日々精進していきます。

 

 

 

 

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歯根破折について

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

歯根破折とは、歯軸に対して垂直方向に破折する場合と、水平方向に入る場合があります。

原因は外傷が多いです。

外傷と言っても、交通事故や転倒だけでなく、異常咬合によるものも含まれています。

当院で見られる歯根破折は、根管治療が施行されていて、大きなメタルコア治療がなされている症例がほとんどです。

特に、健康保険の長くて太いメタルコアが入っている場合は要注意と言えます。

健康保険の治療を否定しているわけではありませんが、

その多くが、銀(Ag)のコア(土台)を使用します。

銀のコアはセメントで接着しますが、銀が酸化するために接着力が低下します。

そこに外力(咬合力)が加わることにより歯根に応力がかかり、歯根破折を招くと考えられます。

しかし、必ずしも、コアが悪いわけではありません。

コアをつける前に、どのくらい歯質が残存しているかが重要だからです。

むし歯が進行しすぎて、歯がほとんど残っていなければ、歯根破折のリスクは大きいものになります。

Leica Picture

この写真では、ミラーを使用しているため、わかりにくいのですが、縦に歯根破折を認めました。

レントゲン写真では歯根破折は分からないことが多く、この症例は、歯根端切除手術を試みようとしたら歯根破折を認めたため、抜歯となったケースです。

肉眼では分かりにくい状態でも、マイクロスコープを用いることで、瞬時に診断が可能です。

根管治療後の歯根破折を防ぐために当院で気をつけている事。

・根管治療に際し、歯質を出来るだけ保存すること。

・歯質が十分に残存している場合は、コアを歯質の負担にならない材質を選択すること。

・メタルコアにする際はその長径、幅径を考慮すること。

・接着に際し、長期安定性の高い材料を選択し、その使用方法に注意すること。

苦労して治療した歯が破折するのは大変悲しいものです。

永く使用していただくために、日々努力して行きます。

 

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たばことPM2.5

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

中国で発生した微粒子状物質(PM2.5)が日本にも飛来することで、健康への影響が懸念されています。

PM2.5が高い場所は、中国だけではありません。

喫煙可能な居酒屋などでは、中国政府が「最悪」としたときの北京の濃度と変わらないとされています。

タバコにはPM2.5が含まれていますが、さらに発がん性物質が70種類こらい含まれています。

また、受動喫煙による死亡リスクはPM2.5の値よりはるかに大きいと言われています。

環境汚染も深刻ですが、身近にもリスクがあるので注意が必要です。

小さなこどもや肺に病気を持っている方は特に影響をうけやすいので、ご自身だけでなく、

他人に対する配慮が望まれます。

 

 

 

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歯ブラシをくわえ転倒

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

2013年3月29日の日経新聞の記事にて

「歯ブラシくわえ転倒 乳幼児けが49件」 消費者庁が注意喚起

25.3.29歯ブラシ

1歳が29件と最多でした。

歯磨き中に転倒したのが31件を占めていました。

歯磨き中は付き添うことが大事ですね。

10年以上前の、割り箸がのどに刺さり、こどもが死亡した事故を思い出しました。

我々医療従事者が責任を問われる事故(裁判にて医師は無罪)

であったために、いまだに記憶に新しい事故です。

歯ブラシにおいても重大な事故になりかねないため、

小さなお子さんがいる家庭では、気を付けたいところです。

 

 

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藤本研修会OB会講演会

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

2003年3月31日 東京歯科大学において、藤本研修会のOB会講演会があり参加しました。

「All Ceramic Restorationのサイエンスと臨床」の演題にて、

ワシントン大学補綴大学院卒業の石部元朗先生

インディアナ大学補綴大学院卒業の岡村光信先生

の2名の先生の講演でした。

CAD/CAM技術の進歩により、工業界においては技術革新がおきています。

歯科においても同様で、メタルを極力使用せずにオールセラミックス修復をCAD/CAMにて機械製作をすることが主流になってきました。

以前は、歯科技工士がメタルを鋳造し、かぶせ物を作製していましたが、電子的にスキャニングし、パソコン上にて設計、機械で削りだしを行うようになりました。

当院においても、保険外治療の大半はCAD/CAMを使用しています。

適合性、審美性、機械的強度、コスト等、様々な要因がありますが、現在十分に満足の得られる技工物が得られるようになりました。

これからまだまだ伸びる分野かと思われます。

 

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ITIスタディークラブに参加

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

平成25年3月28日 東京医科歯科大学において、インプラントのスタディーグループである

ITIスタディークラブに参加しました。

東京医科歯科大学インプラント科の塩田真先生のグループです。

今回のテーマは、松浦賢治氏の「ケルンIDS報告」、塩田真先生の「RDI : 径の小さいインプラントについて」

ケルンIDSとは世界最大のデンタルショーで、世界中より最新の歯科器材の展示が行われます。

最近の傾向は、光学印象機械とバーチャル咬合器。補綴物を作製するCAD/CAMシステムの精度の向上でしょうか。

金属鋳造からCAD/CAMにて作製することは、今では日常的に行われています。

今ではさらに、歯型をスキャナーで取り込んで、咬合器に装着せずに補綴物(かぶせもの)を制作できるようになってきました。精度的な問題はこれからの課題となります。

当院でもCAD/CAMにより制作しております。

金属を極力しようしないようにしています。

金属の抗原性(アレルギー等)、貴金属が希少となってきているなどが背景にあります。

現在の精度でも満足のできるものが出来ていますが、更なる向上を期待しているところです。

 

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根管治療の回数

葛飾区金町 尾澤歯科医院の野村です。
根管治療の回数が少ないために不安に思う患者さんがいました。
他院で、半年根管治療をしてきて、痛みが消えないと来院する患者さん。当院で、2回の治療で終わりました。

診断を正しく行なうことで正しい意思決定をすることが出来ます。
従って、治療回数は診断が正しければおのずと決まります。
通常は、根管内を可能な範囲で機械的に、化学的に清掃した段階で根管治療を終了します。
根管治療の効果が無い場合は外科的に原因を除去する。
もしくは、抜歯をする。
半年間も治療をしても結果は同じであれば、早い意思決定が重要なのです。
例外はありますが、見極めるのは腕になるのでしょうか。

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マイクロスコープを導入

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

新設の歯科ユニット(チェア)に歯科用マイクロスコープ(顕微鏡)をマウントしました。

 IMG_1872

レンズとデザインに定評のあるライカM320です。

カールツァイスと最後まで迷いましたが、(株)モリタの熱意とご厚意に押され?ライカに決定!

ユニットにマウントさせることで、マイクロスコープ独特の仰々しい感じがないのがいいですね。

マイクロスコープの揺れは致命傷ですが、専用のマウントのために揺れはほぼ感じません。

LEDの電源はとても明るく、根管の先端まで十分に届きます。キセノンランプもいいのですが、

もはや時代はLEDが主流となっています。ランニングコストもGOODです。

VTRのクオリティーが、ディーラーの方が考えているよりはるかに悪いのが欠点です。もう少し認識してほしいものです。

歯科ディーラーは自社製品には当然詳しいです。

しかし、他社製品と比較して、いかに自社のほうが優れているか。

また反対に、自社の劣っている点をもう少し認識したほうがいいのでは?

最近オプションでハイビジョンカメラを付けられるようになったようですので、講演される先生には是非お勧めします。

尾澤歯科医院金町診療所では、ここ数年にわたり根管治療を充実させてきましたが、更に精密な治療を提供します。

精密な治療なくして長期の成功はありません。

長期予後をいかに確立させるか。

常に考えて診療しています。

 

投稿日: by nomura