MTAセメント(商品名プロルート)は比較的最近販売された歯科材料です。
直接覆髄(歯の神経が露出した際にセメントで覆うこと)
パーフォレーションリペア(歯根に穴が開いた際、穴をふさぎリペアすること)
逆根充(外科的な根管治療の際に根尖にセメントを充填する)
などに用いられます。
MTAセメントの高い生体親和性により、従来の方法だと成功率が低かったものがより高い成功率が得られるようになりました。
直接覆髄の症例です。
丸でかこんだ部位のむし歯が深く、神経が露出しました。
従来の方法は水酸化カルシウムを貼薬していましたが、成功率は低く、疼痛が出て抜髄(神経をとる治療)となることがほとんどでした。
MTAセメントは操作が難しいですが、高い生体親和性のため露髄(神経が露出)部に貼薬してもほとんど痛みが出ることはありません。
神経を保存できるということは歯を長持ちさせることにつながります。
残念ながら健康保険適応外です。
しかし、そのメリットを考慮すると我々は積極的に推奨していこうと思っています。
2011年8月14日