院長ブログ

将来のインプラントについて

東京都 葛飾区 金町の歯科医院 尾澤歯科医院 院長の野村です。

尾澤歯科医院では約35年前よりインプラント治療をしています。

35年前は現在使用されているチタンの他、人工サファイア、チタンにHA(ハイドロキシアパタイト)などなど、様々な素材のインプラントがありました。

現在はチタンの他、ジルコニアなど新しい素材が出てきております。

尾澤歯科医院では、スイスのストローマン社のインプラントを主に使用しています。

ストローマン社のインプラントはチタンとジルコニアの合金にすることで、機械的強度を上げています。

従って、今までよりも細いインプラントを使用しても破折することなく問題なく経過しています。

また、インプラントで重要なのが、インプラント表面の性状です。

表面性状は各メーカーによって全く異なります。

骨細胞が成長しやすい性状、細菌が繁殖しにくい性状などが求められます。

ストローマン社の表面性状はどのメーカーのインプラントよりも文献的に優れていることが分かります。(Derks J らJ Dent)

現在の表面性状はマイクロストラクチャーのレベルですが、

近い将来にはナノストラクチャーになります。

このことにより、細菌が付着しにくく、細菌のバイオフィルムを壊す表面性状になっていきます。

細菌、抗生物質が効かない耐性菌の話題がマスコミで多く報道されるようになりました。

内科で風邪で抗生剤を処方しないように通達が出されたほどです。

動物実験では行われていますので、ナノテクノロジーがインプラントに応用されるのはもうすぐです。

ある文献によると、実験的にナノ性状を与えたインプラントは黄色ブドウ球菌が約20%死滅、

緑膿菌は約50%死滅。現在のところはこのような結果です。(Bhadraら2015)

もっと成績の良い表面性状が出てくることを願っております。

尾澤歯科医院ではこれからも、世界中で多くのインプラントがある中で、最善な製品を現使用メーカーにこだわらずに提供していきます。

 

 

 

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夏期休暇

東京都葛飾区 金町の歯科医院 尾澤歯科医院 院長の野村です。

今年も恒例の夏山に行ってきました。

今年は富山県の剱岳。

「剱岳 点の記」が映画化されてから、一般の方にも認知されるようになりました。剱岳は20年前に単独でテントを担いで縦走しましたので、今回は2回目です。

まだまだ元気ですが、今回は山小屋を利用し省エネ山行です。

山小屋で気づいたこと。

歯磨きをしっかりとする方が増えました。

しかも、ペングリップ(握り方)、水平スクラッピング法(水平方向に細かく動かす方法)!

男女問わず、中高年の方が就寝前に熱心に歯磨きをしていました。

皆さんに、歯の重要性が広まってきた証拠ですね。

今年は天候不順で、山行中も雨が降ったり止んだり。岩が多い山なので、手足のグリップが効きにくく、怖かったです。

夏山はたくさんの高山植物が見られるので、とても癒やされます。

山頂もあいにくの天気で展望が無く残念でした。20年前の快晴大パノラマの記憶があるので良しとしました。

今年も長期の休みをいただきました。

心身共にリフレッシュしましたので、今度は皆様の健康のために頑張って参ります。

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タービン等切削器具の滅菌について

東京都葛飾区 金町の歯科医院 尾澤歯科医院院長の野村です。

「タービン等の切削器具の滅菌に関して」

当院では患者ごとにオートクレーブ(高圧下高温の状態で滅菌する方法)にて滅菌しています。

また、患者ごとに新品のノンパウダーゴム手袋(アレルギーの方にはプラスティック手袋)を使用しています。

米国疾病予防センター(CDC)ではスタンダードプレコーション、感染経路別予防策を提示しています。

すなわちすべての患者は未同定で、感染の可能性があると仮定するという概念です。

内容として、①手洗い ②手袋着用 ③防護具着用 ④針刺し事故対策 等です。

その目的は、患者を交差感染から守ること。また、医療従事者の職務感染を防ぐ目的もあります。

我々の診療は毎日くり返されるものですので、従業員を守るという観点からも重要だと認識しています。

最近、マスコミで滅菌に関する報道がありましたので、皆様の疑問や不安に対処する目的でブログの記事としました。

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(公社)日本歯科先端技術研究所 創立30周年

葛飾区金町の歯科医院 尾澤歯科医院 院長の野村です。

平成29年6月18日 (公社)日本歯科先端技術研究所 創立30周年記念事業を、東京都のグランドパレスホテルにて行いました。

当研究所は50年前に山口県にて口腔外科研究会として発足し現在に至ります。インプラントの基礎研究を長年にわたり行ってきました。

現在全国規模で活動をしております。会員数は正会員で約700名を有し、インプラントの研究のみならず、MCI(軽度認知障害)と口腔機能の関係、一般市民に対する歯科医療に対する啓蒙活動などを行っております。

学術会誌を3回/年発行しています。今回は特別号として、日本歯科医師会 副会長の柳川先生との対談を企画しました。直面している高齢者歯科医療や専門医、災害時の歯科医療など多岐にわたり議論をすることが出来、会員にとって有益な情報を発信しました。

これからも、一般市民向けの講演会なども企画します。ご期待下さい。

 

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ITI World symposiumに参加

東京都葛飾区の歯科医院 尾澤歯科医院 院長の野村です。

平成29年5月4、5,6日、スイス バーゼルにてITI World symposium に参加しました。

ITIとはインプラントの国際組織で4年に1回、学会を行っています。

世界中から約5,000人の参加者があり、国際交流を深めてきました。

インプラントの表面性状において、ナノレベルの構造改善を認識しました。

尾澤歯科医院においては、そのトップレベルにあるインプラントメーカーである、ストローマン社を30年間にわたり使用しています。

体内に留置するインプラントは1度手術をすると簡単には除去できません。

したがって、世界中で最も信頼されているインプラントメーカーを推奨しています。

私自身もインプラント治療をしてもらうならば、ストローマン社製品を選びますし、実際に家族、親戚には他のメーカーを使用しません。

尾澤歯科医院におけるインプラント治療は、技術、材料、全てにおいて世界基準にて行い、patient friendly な治療を心がけております。

 

 

 

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アマルガム除去のすすめ

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

歯のつめもの(充填剤)である「アマルガム」のお話

当院ではアマルガム充填の除去を積極的に勧めています。

アマルガムは水銀とほかの金属との合金です。現在はアマルガム充填を施行している歯科医院はごく少数ですが、治療の簡便性から多くの歯科医院で行われました。

アマルガムには接着力が無く、緊密に充填することで維持をさせている状態です。

多相合金であることから、Hg(水銀)とイオン化傾向の差が大きい金属を用いることで、耐食性が悪い。高銅型アマルガムは従来型より耐食性は改善しているが、腐食、溶解しないわけではありません。

気になる毒性であるが、水銀を約50%も含んでいるアマルガムの毒性を無視出来ません。合金として安定しているが、咬合により摩耗し体内に蓄積する、加熱により遊離することが考えられます。

Hgの極量は100γ/日(1γ=1,000mg)であり人体に影響する量ではないが、人体に有害な物質であることに変わりはありません。

尾澤歯科医院におけるアマルガム除去例

上顎第臼歯にアマルガムが充填されています。必ずラバーダム防湿を行い、切削した時に削片を飲み込まないようにすることが大事です。

アマルガムを削除した写真。切削量を少なくし、歯質を出来るだけ保存します。

CR(コンポジットレジン)を充填したところ。歯質とCRの接着に十分な配慮をし、緊密に充填することが大事です。

一般的にはコンポジットレジン充填やセラミックスインレーによる充填を行います。

アマルガムは人体に有害なだけでなく、接着性が無いために歯に対する力学的な負担を増大します。場合により歯質の破折を招き、抜歯を余儀なくされる場合があるため注意が必要です。

 

 

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第28回日本歯科先端技術研究所 学術大会

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院 院長の野村です。

平成29年3月12日 学術大会を主催しました。

基調講演を理化学研究所 辻孝先生にお願いしました。

辻先生は歯の再生医療にて脚光を浴びた先生です。

ねずみの顎骨に歯を再生させることに成功しておりますが、実際の口腔内にて臨床試験はまだ行われていません。

歯の奥歯は大臼歯といいます。大臼歯には複数の歯根があり歯を支えています。

辻先生によると、再生医療にて再生した歯は、歯根が1本。単根しか出来ないようです。

細胞が分化する過程において、歯の大きさ、歯根の数を判断するタイミングがあるようで、実際に望んだ大きさではないことがあるとのことでした。

臨床試験を経てからの人での応用となるため、まだまだ先のようです。

それまでは、義歯、インプラントがまだまだ活躍することでしょう。

 

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インプラント学会にて発表

東京都葛飾区 金町 尾澤歯科医院 院長の野村です

平成29年2月11日(土)、12日(日) 新宿京王プラザホテルにて、

日本口腔インプラント学会 第36回関東甲信越支部 学術大会がおこなわれました。

学会発表をしましたのでお知らせいたします。

外科手術の際に傷口の治癒を促進させるために行っている手法に、PRP, PRFなどと呼ばれるものがあります。

尾澤歯科医院においておこなっている手法は、PRF(Platelet Rich Fibrin)です。

CGFなどとも呼ばれています。

術前に患者さんから採血し、専用の遠心分離機にかけます。

赤血球を取り除いたフィブリンの塊を利用します。

このフィブリンの塊の中に成長因子がどれだけ含まれていて、その効果が期待できるのかという研究はありませんでした。

聖マリアンナ医科大学 形成外科学・幹細胞再生医学講座の井上教授に協力していただき、実験を行いました。

今回はEGFという成長因子を測定したのですが、PRF中に多く含まれていることがわかりました。

このEGFは血小板由来と考えられ、十分に効果が期待できるものと確認しました。

尾澤歯科医院では、外科手術時に採血をお願いすることがあります。

PRFを有効利用することで、術後の傷口がはやく治癒しますので、これからも積極的にお勧めしていこうと思います。

 

 

 

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学生実習の手伝い

東京都葛飾区 金町の尾澤歯科医院 院長の野村です

平成29年1月16日、明海大学歯学部の実習のお手伝いをしてきました。

歯科医師過剰といわれてからだいぶ経過します。

その状況は10年、20年で変わるものではありません。

私が学生だった20年以上前も過剰といわれておりました。

現在の学生が現役(6年間)で歯科医師になれる可能性がとても低いといわれています。

中堅クラスの私立歯科大学で30%。国立大学においても学生の留年が問題になっています。

お手伝いした学年は4年生でしたが、とても高度な実習内容でした。

学生のレベルも大変高く、関心しております。

大人の都合だけで、国家試験の合格率を操作したり、足きりを設けたりしていますが、断固反対します。

2年後に一緒に歯科医師として学べることを、切に願っております。

 

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宇部勉強会に参加

葛飾区金町 尾澤歯科医院 院長の野村です

平成29年2月4日、5日で、山口県宇部市の勉強会に参加してきました。

テーマはデジタルデンティストリー。

歯科でデジタルといえば、最近ではレントゲンがデジタル化が進んでいます。

尾澤歯科医院においてもデジタルレントゲンを使用してから10年以上経過します。

今回の勉強会においては、デジタル印象、CAD/CAMに焦点をあてた講演をしていただきました。

デジタル印象とは、歯のかぶせ物等を作成する際に型取りをしましが、これをデジタルで読み込む方法です。

更に、工業製品でも普及しているCAD/CAMを利用すること。すなわちパソコン上で設計し機械により作製するというものです。

デジタルの分野は歯科においても進歩は目覚ましく、製品により精度のばらつきはありますが、十分に患者さんにお勧めできるものとなってきました。

システムは高価なので、すぐに導入をすることは出来ませんが、近い将来に導入することになるでしょう。

 

投稿日: by nomura