東京都葛飾区の歯医者 尾澤歯科医院 院長の野村です。
マスコミで取り上げられることが多くなった認知症。
日本は超高齢社会を迎え、高齢者の4人に1人が認知症またはその予備軍と言われています。
そして認知症対策は国を挙げて取り組むべき重要課題とされています。
認知症はある程度予防できるという事をご存知でしょうか?
認知症の前段階として軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)という概念があります。正常な老化現象で予測されるよりも認知機能が低下しているが、認知症とはいえない状態です。
MCIの患者は年間10%が認知症に移行しています。
早期にMCIを発見し、早期に介入することが重要になってきます。
MCIであることの発見、治療には本人の認識がとても重要ですが、医療現場以外の家族、町内会などのネットワークがとても大切です。
近くにいる方の正しい知識と気づきによって、早期に対応することが可能となります。
また、定期的にお医者さんに通院することは、持病でもない限りなかなかありません。
しかし、我々歯科医師は治療の特異性から、定期的に来院していただく場合が多くあります。歯科医院での早期発見により、適切な医療機関への紹介などが出来るケースも増えてくると思います。
認知症への移行を予防するために。
まずは患者本人が主体となって行動をすることが重要です。家族の方が一生懸命でも本人にその気がなければ全く効果が現れません。
ここで詳細は触れませんが、「食生活」「運動」などが一般的に言われている項目です。
我々歯科医師の立場からは、しっかりと噛むことが一番大事なのではないかと思います。
20本以上歯が残っている人とそれ以下の人を比較した論文があります。
20本以上保有が他の因子と独立して認知機能低下発現に対し優位にオッズ比の低値を示しています。
また、噛む事で脳血流量が上がることで認知症を予防できるとの報告もあります。
咬合との関連は疑う余地はありませんが、科学的に証明するとなると、実験が複雑なため難しいのが現状です。しかし最近は数は少ないまでも論文が増えてきています。
ご自身の歯で噛む事が一番いい事なのですが、歯を喪失した場合でも噛めるように治療することが大事です。
中間欠損に対してブリッジ、義歯、インプラント。
遊離端欠損に対して義歯、インプラント。
総義歯に対して義歯、インプラント。
様々な治療法があります。
歯科医師と相談してきちんと噛めるように治療しましょう。
また、ご自身の歯を大事にしてください。
定期的なメインテナンスは重要です。
投稿日: 2015年5月14日 by nomura