葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です
The Cracked Tooth Syndromeのお話です。
歯の不完全破折の結果としておこる症状の総称です。
歯にひびが入って咬むと痛かったり温度変化に過敏になったり、
マイルドな刺激(甘いものや酸性の食べ物)による知覚過敏を臨床症状として認めます。
この歯の横方向に赤い線を認めます。
歯髄反応が無い(歯髄が壊死している)ため、根管治療をしようとして歯を削合していたところ、破折に気がつきました。
赤く染色してみたところ、はっきりとした線が認められ、クラックによる感染が原因で歯髄(歯の神経)が壊死したと診断しました。
通常はこのようなクラックを肉眼で確認することは困難です。
マイクロスコープによる確認作業で発見されることが多くあります。
レントゲンはほとんど有効ではありませんので、見落としやすい疾患です。
早期発見により歯を残すことが出来ます。
しかし放置すると破折が広がり、細菌感染により抜歯を選択しなければなりません。
大学での教育で、このような診断名を教わらないために、わからずに放置されることが多いようです。
早期発見、早期治療が大事です。
2013年11月4日