カテゴリ: インプラント

CID-Club 10周年記念講演会を終えて

12月3,4日の2日間のわたり、

ベルサール六本木においてインプラントの講演会が行われました。

私は最後のセッションで座長をさせていただきました。

演者はアメリカのルイビル大学教授、Dr.Dean Morton.

欧米の方の講演の座長をするのは初めての体験でした。

貴重な体験をさせていただきました。

CIDでは常に刺激をいただいて帰れるので、私にとって大切な会となっています。

 

投稿日: by nomura

インプラント VS 根管治療

「出来るだけ永く歯を残したい」

患者さんの願いであり、私の願いでもあります。

歯が無くなったらインプラントにすれば大丈夫なのでしょうか?

インプラントは私の専門分野ですし、良い方法だと思います。

しかし私は、インプラントにする前に、歯を残す方法をまず考えます。

根管治療を「適切」に行うことで、歯の寿命を延ばすことが可能だと思っています。

根管の内部は複雑に分岐していることが多いため、決して簡単な治療ではありません。

しかし、近年の根管治療では器械的な進歩が大きく、その恩恵で技術的な進歩にも反映されています。

尾澤歯科医院においても最新の治療機材を用い、科学的な見地のもとに治療を行っております。

保険適応外の材料も多いため、自費治療になる場合があります。

相談のうえ、最善の治療を選択していただくことが可能です。

 

 

投稿日: by nomura

PRP

PRPとは、Platelet-rich plasmaの略で、多血小板血漿のことです。

16日はインプラントの講習会の講師として、PRPの話を講義しに行きます。

PRPは1998年に発表された手法ですので、決して新しいものではありません。

自己の血液から血小板を抽出し、インプラントなどの手術に用います。

血小板は多くの増殖因子を有しているため、骨や創傷の治癒を促進させる作用があります。

自己血なので、安全に行うことができますし、低コストで済むため優れた手法といえます。

尾澤歯科医院でも骨の造成が必要な場合などに使用します。

傷の治りが早いのを実感しています。

投稿日: by nomura

インプラント手術時の事故の記事を読んで

平成23年8月1日日経新聞夕刊より

「インプラント手術で患者死亡 院長を書類送検」

この記事を読んで気になる事があります。

新聞記者は読者に分かりやすく書くために、かえって読者が誤解を生じるように感じます。

①出血が原因であるが、出血は死因ではないこと。死因は窒息と考えられます。

おそらく下顎の犬歯か小臼歯部の手術で、下顎骨の内側に穿孔したと考えます。

犬歯、小臼歯根尖部の下顎骨舌面には舌下腺窩とよばれるくぼみがあります。

舌下腺窩に穿孔すると、舌下動脈、オトガイ下動脈を損傷する危険性が高いのです。

舌下動脈、オトガイ下動脈は太く、血流が多いため、止血が困難です。

止血が出来ないと、口底部に血腫を生じ、舌の後上方への転移、舌が口蓋へ押しつけれて窒息します。

今回の事故はどのような臨床家でも起こしうる偶発症です。

過去の文献を探してみると、同じようなケースが多数あります。

共通しているのは、インプラント手術の初心者ではなく、専門医が起こしているということ。

したがって、誰にでも起こしうることなのです。

しかし、予防策はあります。

術前の詳細な診査による診断をすること。

CTによる術前診査も必要でしょう。

また、事故が起きた際の対処方法を準備しておくこと。

一般的に、これが足りないのではないのでしょうか。

気道閉塞→気道確保→救急搬送の手配→気道確保困難→外科的気道確保、等々。

準備するものが多くあり、またトレーニングが必要だと思います。

投稿日: by nomura

このインプラントなに?

医歯薬出版より、歯科医師向けの本を出版します。そのタイトルは、

「このインプラントなに?」 他医院で治療されたインプラントへの対応ガイド

です。

日本国内で販売しているもの、していたものを集め、インプラントの種類が特定が出来るようにした本です。

(社)日本歯科先端技術研究所と愛知学院大学口腔インプラント科の協力にて実現しました。

クリニックに1冊あると必ず役に立つと思います。

インプラントは国内の販売のみですので、海外にてオペをした患者に対しては、もしかしたら分からない場合があるかもしれません。

インプラント・アバットメントの界面の特徴、デンタルエックス線での特徴等により種類を特定できるようにしてあります。

投稿日: by nomura

インプラント VS 歯内療法

歯科医師は、抜歯してインプラントをするべきか、歯内療法をし抜歯をしないで歯を残すのか、

選択をしなければならないことがあります。

インプラント全盛の現在、抜歯を推奨する歯科医師は多いと思います。

長期的にみた場合、保存可能な歯の場合は、歯内療法をして歯を残す方法をお勧めします。

最近、安易にインプラント治療をする例が後を絶ちません。

インプラント治療の失敗は周囲組織の大きなダメージを伴う場合があります。

従って、インプラントを行う際は、専門医による相談を受けた方が良いと思います。

尾澤歯科医院には、日本口腔インプラント学会専門医、指導医がおりますので安心して相談してください。

投稿日: by nomura

インプラントと歯周病

日本人成人の8割が歯周病といわれています。

程度の差はあるため、中等度、重度の歯周病だけですともう少し下がるかも知れません。

インプラントは人工物ですが、インプラント周囲炎になります。

インプラント周囲に細菌が付着し、その細菌が毒素を出すことにより炎症がおこるのは、ご自身の歯と同じことです。

最近の研究によると、インプラント周囲炎と、歯周炎とでは細菌叢(細菌の種類)が違うかもしれないという結果が出ています。

重度歯周炎症を引き起こすAa菌、Pg菌等以外にインプラント特有の細菌がいるかもしれませんがまだ研究段階です。

インプラント周囲の軟組織は天然歯と比較すると構造が異なります。

天然歯の周りにはセメント質があり、そこからコラーゲン線維が走行しています。すなわち歯と歯周組織は機械的に結合しています。

インプラントは人工物のため、インプラントからのコラーゲン線維はありません。歯周組織のような機械的結合が望めません。

このことよりインプラント周囲組織の脆弱性が心配されます。

プラークコントロールや過重負担、被せものの形態等などに、天然歯以上の注意を必要とすることに注目した方が良いでしょう。

投稿日: by nomura

18日(土曜日)は院長は学会のため不在です

18日土曜日は野村は学会のため不在です。

急患対応はいたしますので、電話にて連絡をお願いします。

インプラントの学会です。

今回は周術期のエマージェンシーについて発表してきます。

震災にて「想定外」、「未曾有」などの言葉を耳にします。

緊急の事態は考えられる事態を想定し、最善の準備をしておくこと。

医療において不可欠なことです。

緊急事態を起こさないようにすることはもちろんです。

起こしてしまった時の対処法を想定し、準備しておくことも重要だと考えます。

投稿日: by nomura

インプラントメーカー

インプラントメーカーは日本国内にて約30社の製品が販売されています。

海外では数百といわれています。

自医院にて一生管理出来れば良いのですが、

引っ越し等で、他歯科医院にて管理をする場合、インプラントの種類が分からずに苦労することがあります。

インプラントに国際規格はありません。

各メーカーにより特許があり、形態、表面正常、インプラント体の組成など、全く異なるのが現状です。

本日は、そのような臨床医の悩み、疑問を解決するべく、某出版社に本の編集会議に行ってまいりました。

出版間近です。出版したら詳細を報告します。

投稿日: by nomura

インプラントとは

整形外科でもチタンを用いた再生手術があります。

歯科におけるインプラントとは人工歯根のこと。

失われた歯を補うための、治療手段の1つです。

現代のインプラントは、1960年台に始まりました。

基本的には純チタンが原料です。

チタンの表面に、各インプラントメーカーが独自の粗造な面をつけます。

粗造な面は、骨がインプラント表面に出来る足場となります。

骨にインプラントを埋入すると、6週から半年で骨になじみむため、かぶせ物を入れることができます。

6週から半年と期間が様々ですが、インプラントメーカーによって、骨のなじみ具合が異なります。

また、元々の骨の状態によって変わってきます。

骨の幅、高さ、骨質などにより治療期間は違うのです。

ストローマン社のインプラントの広告です。

芸術的に精巧に作られているということでしょうか。

1本1本のスレッド間隔や角度など、骨の反応を考慮しています。

木ねじとは異なり、いかに生体になじむかどうか。

また、長期的安定性を考慮して作製されています。

日本のインプラントメーカーでは、ここまで熟慮されたものは出来ないと思います。

投稿日: by nomura