カテゴリ: 全身管理

救急セット

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

起きてほしくはありませんが、非常時に無くてはならないもの。

突然の心停止に対し、質の高いCPRをおこなうためにAEDは欠かせません。AHAのBLSライセンスを取得しております。

生体モニター(血圧、心電図等)、人工呼吸用にアンビューバッグ、気管挿管セット、他の気道確保用にラリンジアルマスク。

気道確保が出来ない場合に、輪状甲状腺靱帯穿刺キット。

救急薬剤と点滴セットなど。

病院では必須ですが、個人の歯科医院でここまで揃えているところは無いと思います。

非常時のトレーニングは十分に受けております。しかし、使用しない事を切に願っております。

安全、安心な歯科治療を心がけております。

 

投稿日: by nomura

骨粗鬆症 高齢者への対応

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

平成28年11月12日、13日にCIDクラブ15周年記念講演会がありました。

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「医科からの提言:骨粗鬆症・高齢者への対応」というセッションの座長をしました。

3名の著名な先生にご講演をしていただきました。

林泰史先生は整形外科医で東京都老人医療センター病院長、東京都老人総合研究所所長等を歴任された先生です。

林先生には整形外科医の立場より話していただきました。

大腿骨頸部骨折により歩行困難になり、寝たきりとなる。

これを防ぐのはBPがファーストチョイスでることに変わりはない。

BP内服、静注を問わず、ONJの発生率は10万人に何人かいるというレベルである。他にも合併症は様々である。

顎骨壊死に関しても治療法を説明していただきました。

包括的に適した治療法を選択することが必要であるということでした。

2人目は黒嶋伸一郎先生。長崎大学の講師で、骨の基礎研究や顎骨壊死に関する研究をされている先生で将来の歯科界を担うべき先生です。

黒嶋先生には大学病院にて、骨粗鬆症に関する研究、大学病院での臨床例を呈示していただきました。従来の温存療法ではなく、外科介入を積極的に行うことが印象的でした。

3人目は山下巌先生。東大医学部出身で現在は医科、歯科のクリニックを開業しています。歯科に対してのご理解があるため、日頃より我々のご意見番としてお世話になっている先生です。

山下先生には、禁忌とすることで思考停止ををきたす。リスク管理をした上で患者のベネフィットを考慮した治療計画を行う。

リスク管理は医科的なトレンドを把握しておく必要がある。

また、主治医との連携の必要性を糖尿病や骨粗鬆症のケースを元にお話していただきました。

顎骨壊死に関するポジションペーパー2016が発表されています。

口腔衛生状態を歯科医師が管理することにより、BP製剤等由来の顎骨壊死の発生率を低下させることができる。

BP等の薬剤の休薬はしなくても良いとする論文が多いが、処方医と連携をとりながら方針を決めていくことが大事である。

医科歯科連携と言葉では簡単だが、実際には双方の理解が必要であると感じております。

今回の講演会により様々な方と議論を交わすことが出来、有意義な会となりました。

 

 

投稿日: by nomura

シンポジウムにて講演

東京都葛飾区金町の歯医者 尾澤歯科医院院長の野村です。

平成27年8月2日(日)、日本歯科大学において(公社)日本口腔インプラント学会 関東甲信越支部 第6回 学術シンポジウムが開催されました。

メインテーマは『超高齢社会とインプラント』

私もシンポジストとして講演をいたしました。

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認知症は生活習慣病の側面があり、食生活や適切な有酸素運動、適切な医療、歯科医療により予防が出来るということが分かってきました。

認知症の前段階としてMCI(軽度認知障害)があります。健康な時期、もしくはMCIの段階で予防について認識していただくことが大事になっています。

あくまで本人の認識にかかってきますので、我々は正しい知識を提供すること、適切な歯科医療を提供することになります。

生活習慣を変えるのは本人のモチベーションにかかっています。

モチベーションを上げる手助けをすることが、我々歯科医師を含めた医療関係者の役割かと考えています。

多くの高齢者の方が住みやすい街づくりの手伝いができたら幸いです。

投稿日: by nomura

学生講義

東京都葛飾区金町の歯医者 尾澤歯科医院院長の野村です

平成26年5月7日、東京医科歯科大学にて講義をする機会がありました。

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対象は医学科、歯学科の6年生。

インプラント手術時の危機管理の話を依頼されました。

学生ですが、来年にはドクターとして活躍するであろう方々に講義することは、現役で働いている方への講義とは違った責任を感じました。

学生や、歯科医師になりたての数年間に吸収した事はその後の歯科医師人生に多大な影響を与えます。

この時期に危機管理の事を学ぶことができて良かったと思っていただければ幸いです。

また、私自身も講義を通じてフレッシュな気持ちを感じ取れる事が出来、有意義な1日となりました。

 

 

 

投稿日: by nomura

ORE2014 学会発表

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

平成26年4月12(土)、13(日)の2日間のわたり、東京医科歯科大学MDタワー講堂にてORE2014が開催されました。

500名ほどの参加者で盛況に終了しました。

日曜日に演者としてプレゼンテーションの機会をいただきました。

私のテーマは術後出血について。

緊急時の対処法について講演しました。

日頃より安全、安心な歯科治療を心がけています。

しかし、緊急時にも対処出来るように準備を怠らないようにしています。

結果的に何も起こらなくても、危機管理をすることは歯科治療においても重要だと思っています。

 

 

投稿日: by nomura

開業医での救命対応について

葛飾区金町の歯医者 尾澤歯科医院院長の野村です。

緊急時(救命)対応について。

我々のような開業医と大学病院などの病院歯科では対応方法が異なります。

人員の問題、設備、スキルなど、様々な要因で異なるのが現状です。

例えば手術時に動脈性の出血があったとします。

術前診査は開業医、大学病院で差はないと思います。

口腔内写真、模型、CT撮影は開業医でも可能です。

インプラント手術では特に骨の診査が重要です。

神経や、動脈の走行も考慮して診査します。

しかし、それでも出血が止まらない状況になったらどうするのか。

呼吸が困難となった場合はどうするべきか、当院では常に考えて臨床を行っています。

設備は大学病院の設備まではないのですが、最善の救命治療が出来るように準備をしてあります。

数年前、東京都内の開業医にてベテランの歯科医師によるインプラント手術後に、舌下動脈あるいはオトガイ下動脈を損傷し死亡するという事故がありました。

報道ではあたかも出血による死亡のように報道されていました。

これは誤りで、気道確保が出来なかったことによる窒息死です。

このような最悪な事態を想定し、準備しておくことが重要であると考えます。

開業医では残念ながら想定している施設は皆無です。

事故は免許をとりたてのドクターはおこしません。

その多くはベテランの専門医がおこすと論文の統計結果があります。

したがって、開業医においても緊急時の備品、また、スキル向上を目指すように啓蒙していきます。

投稿日: by nomura

インプラントスタディークラブ

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

平成25年12月7日(土)、8日(日)の2日間にわたり、恒例の

CID Clubミーティングに参加しました。

今回は演者にて発表の機会がありました。

私の日常診療のスタイルとして、「全身管理」を行い、疾患を有する患者さんでも

安全に診療を受けられるようにしていることが挙げられます。

インプラント手術の際も同様で、安全に手術をするにはどうしたらよいかという視点で講演しました。

高齢化が進み、現在高齢者の割合が24.1%と多いのですが、増加に歯止めがかからず、

超高齢社会と言われています。

疾患を有する患者も多い為、日常の診療にも注意して診療をしています。

当院では、高血圧の診断を受けている方、診断を受けていないが高血圧な方はすべての治療において血圧測定をしながら診療しています。

高血圧の治療を受けていても血圧が高かったり、逆に低すぎたりと様々なため、

安全のためにモニタリングをして診療を行います。

 

投稿日: by nomura

当院での無痛麻酔への取り組み

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

患者さんへのアンケートをすると、歯科医院に行きたくない理由に、

「麻酔が痛い」「痛そう」

などの意見があります。

歯科治療を安全に、快適に行うためには局所麻酔が不可欠となります。

しかし、局所麻酔をするためには注射をしなくてはなりません。

「注射が痛くなければ、歯科医院に対するマイナスのイメージが少しは無くなる!」

と考え、無痛麻酔を心がけています。

無痛麻酔で必要な要件を3つ挙げます。

①表面麻酔をすること。

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キシロカインスプレーなどの表面麻酔薬を効かせてから注射をします。刺すときは痛みを感じません。

②細い麻酔針を使用すること。

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マイクロスコープにて16倍に拡大した写真です。

上から27G(主に伝達麻酔に使用している太い注射針)。

中間が31G, 下が33Gです。これが局所麻酔にて使用する針です。

この2本はほぼ太さに変わりがありません。とても細い針ですので、表面麻酔をしなくても痛みを感じにくい針です。細い為、使用の際は細心の注意をして扱います。

③電動注射器を使用すること。

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電動にてゆっくりと麻酔薬を注入することが可能です。

手動よりも痛みが軽減されるという論文や発表が多くされています。

注入圧が痛みの原因とする報告もあり、ゆっくりとしたスピード、圧力での注射は有効だと感じています。

東洋医学的に、手のツボである「合谷」を刺激して麻酔をすることもあります。

「麻酔をいつしたのか?」と聞かれることがあります。

痛みがないため気付かれないうちに麻酔が終了しますので、小さなお子さんでも嫌がらずに歯科治療を受けることができます。

また、お子さんにおいても、大人と同様にラバーダム(歯にかけるゴムのシート)をしますので、水が流れ込んだりしないため、楽に治療が受けることが出来ます。

無痛麻酔をすることで、少しでも気軽に歯科治療を受けれられるようにしていきます。

 

投稿日: by nomura

歯科治療と全身的偶発症

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

超高齢社会により、治療時の全身的偶発症を想定した歯科治療が求められます。

たとえば血圧の上昇。

高血圧症の診断をされていなくても、高齢に伴う動脈硬化により治療中のストレスにより、

術中の異常高血圧症をおこす頻度が高くなります。

循環器系の偶発症が多いため、当院では、高齢患者、循環器疾患を有する患者に対し、

血圧計、パルスオキシメーター、時に心電図を装着し、歯科治療をおこなっています。

モニターを装着すると、高血圧症の診断にて降圧剤を内服されている方でも、

コントロール良好な方もいれば、不良の方が多くいるのがわかります。

また、血圧計をつけてみて初めて高血圧症を発見することも少なくありません。

このような場合は治療を中断し、循環器内科に紹介をしますが、我々の行為が、生命予後の改善に少しでも寄与できたらと思っています。

当院にて、治療の度に血圧計を装着する場合があるのには理由があるので、ご容赦ください。

 

投稿日: by nomura

インプラント治療 こんなときどうする?

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

インプラント関連の本に執筆しました。

8月末に発売予定です!

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インプラント治療に関する、トラブルシューティングです。

私が担当したのは、得意分野である全身管理について。

血圧が高い場合どのように考え対処するか。

心不全に対する対処、等です。

インプラントに関する事故を防ぐために、

また、万が一、うまくいかなかった症例でも、

どのようにしたらリカバリーが出来るのかを考えた本です。

 

投稿日: by nomura