葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。
日常の診療にて気付いた事をブログに記載するようにしています。
今回の心疾患の話題も、日常臨床でよく経験することです。
心臓の弁に異常がある方は歯科治療をする前に注意が必要です。
もし心臓に細菌が感染し、感染性心内膜炎を引き起こした場合は、至死的な状態になることを留意しておかなくてはいけません。
感染性心内膜炎は、歯科疾患や歯科治療が原因とされています。
感染性心内膜炎で同定された細菌700種以上のうち約400種が歯周病関連細菌との報告があります。
つまり、口腔内にいる細菌が、口腔内の傷口より血流を伝って心臓に達するということです。
従って、抜歯や歯周病の治療をおこなう際は、予防が必要と言われています。
感染性心内膜炎は、心臓の弁膜や心内膜に異常のある場合に発症する危険性があります。
予防には抗生剤(アモキシシリン)の術前投与が一般的です。
歯科治療の1時間前に2g内服してもらい、治療を行います。
患者さんから、「私は危険だから・・・」などと申し出る方はいません。
十分な問診の後に、疾患に対する危険性を認知し判断するのは歯科医師です。
信頼のおける歯科医師、医師と連携をとること。
そして、真のかかりつけ医を持つことが重要です。
2012年10月25日